2025.12.23

12月18日(木)にあじさい組、19日(金)にひまわり組が、倉敷市立自然史博物館と大原美術館へ園外保育に行きました。バスの中では「どんな生き物が見れるかな?」「本で見た絵があるかな?」とわくわくしながら友達とお話をしたり、車窓からの景色を眺めたりしながら過ごしました。大原美術館を作った大原孫三郎さんや児島虎次郎さんのお話を興味深く聞いていると自然史博物館に到着!理事長の祐三先生が待っていてくださり、園外保育のスタートです!


~倉敷市立自然史博物館~
親子のナウマンゾウ(の模型)がお出迎え。迫力ある姿に釘付けで、動くようすや鳴き声を興味深く見ていました。“これは本物?ロボット?”と考えるようすもありました。
他にもティラノサウルスの顔の骨格模型、岡山に住む生き物のはく製コーナーや世界の昆虫標本コーナーを見て回り、楽しみました。「笹ケ瀬川で見つけたヌートリアがいるよ!歯が黄色いね」「ヒヨドリがいた!」「本物のタヌキってこんな顔なんだ~!」「アカハライモリ見つけた!」「シラサギだ!」「桃太郎のキジってこれだよね?」と目を輝かせていました。


子ども達の目を引くものの中には、今まで見たり触れたりした生き物も多く、これまでの自然体験での経験が子ども達の心の中にずっと残っていることを実感しました。
子ども達が大好きな世界の昆虫標本コーナーは自由に見て回りました。好きな昆虫や見たことのない生き物との出会いにキラッキラな表情の子ども達。嬉しい気持ちのなかでも、公共の場での過ごし方を考えながら楽しむ姿はさすが年長さんだなぁと感じました。




じっくりと見て回った後に、お気に入りの生き物を友達と伝え合いました。


その後、もう一度自由に見て回っていると、「○○くんの言ってた虫、どこにいる?」と興味をもって教えてもらったり、「バイオリンムシ見つけたのすごいね!」と友達の思いを認めたりする姿もありました。「また絶対来たい!」という声がたくさん聞かれていましたよ。
少し寄り道をして空飛ぶ車を見に行きました。「これは車?タイヤがないけど…」「ヘリコプターみたい!」「万博で飛んでいるのをニュースでみたよ!」「空飛ぶ車があったらどこにでも行けるね」と話していました。


~大原美術館 本館~
こども園ではじめて大原美術館の画集を見たときは、「すごい“写真”だね」と、率直な感想も聞かれました。これは“絵“ということ、“描いた人が、様々な時代の背景、思いをもって描いた世界にひとつだけの大切な作品“ということを伝えると、「絵なの?すごい…」と、ぐっと心を動かされていた子ども達。一つの絵をじっくりと見るようになりました。そこからお気に入りの絵が見つかったり、一つの作品をじっくりと見て自分なりの思いを友達に言葉で伝えたりし、鑑賞の面白さを味わいながら過ごしてきました。


4名の学芸員の先生が出迎えてくださり、大原美術館独自の『おさんぽプログラム』スタートです。


わくわくしながら、さっそく中に入りました。美術館ならではの雰囲気やたくさんの名画を前に「すごい…」と声がポロリ…。宝物を守っていくためのお約束『静かに話すこと・走らないこと・作品に触らないこと』をみんなで確認し、学芸員の先生方と一緒に館内をお散歩していきます。
本館の展示室では、様々な技法で様々な時代に描かれたたくさんの名画の中からお気に入りの作品を探していきました。「ヘンゼルとグレーテルのお話みたいな絵だね(ラールマンス:『小径』)」「黒い絵なんだけど、よく見たら数字が描かれているよ(ジョーンズ:『黒い数字』)」「魔女が魔法を使っているみたい(ヨーゼフ・ベル:「慟哭」)」などと、絵を見て感じたこと、考えたり想像したりしたことを言葉で伝えることができました。


~工芸・東洋館~
工芸・東洋館は、米や綿の貯蔵庫であった蔵を改装した展示室です。
工芸館に入ってすぐの部屋には大小、様々な形の陶器(皿、壺など)が展示してありました。「お家にはこんな大きなお皿はないね」「ラーメン入れて食べたいな」など、子ども達はそれぞれイメージを膨らませながら見ていました。ここで、「この床は何でできているでしょう?」と学芸員の先生からのクイズ!子ども達は「ツルツルの石」「レンガだよ」と見た目や感触から想像していました。正解は…「栗の木」。部屋ごとに張り方(敷き詰め方)が違うことを教えてもらい、それも楽しみながら歩いていきました。


東洋館で印象に残ったのは石仏の部屋。「頭の冠がかわいい」「笑ってるみたい」「頭の上に顔がいっぱいついてる!」「手の形が面白い」などわずかな時間でたくさんの発見をした子ども達。どの子も友達の意見(発表)にしっかりと耳を傾けていました。


日々の生活の中ではなかなか目にすることのない作品ばかりでしたが、「〇〇じゃない?」「これいいな!」など、どの子も自分の気持ちを素直に表現する姿が見られ、改めて子ども達の感性の豊かさに驚かされました。
この遠足は子ども達にとってこども園最後の遠足でした。「最後の遠足終わっちゃったけど、全部楽しかった!」と、寂しくなりながらも、とても満足そうな子ども達でした。友達と一緒に心を動かし、たくさんの発見、驚き、不思議、感動体験をしたことが、子ども達の心に残る思い出のひとつになったことと思います。