2024.01.25
1月25日、5歳児クラスは、卒業制作として土粘土で焼き物をつくりました。今回は、焼き物作りの前半で、2月末に、作品を野焼きする予定です。5歳児クラスは、9月にも土粘土に触れて遊んでいます。その時は、8人前後のグループで、粉に水を加えながらこねる粘土作りから始め、グループの友達と協同して大きな作品を作っていきました。これは、感触や粘土の性質を楽しむことを中心とした遊びの要素が大きい活動でした。今回は、「生きもの」をテーマとして、「自分だけの思い出の品を仕上げる」という目的のある活動です。粘土の準備をし、子どもたちと一緒に制作して下さる先生は、前回の土粘土遊びでもお世話になった陶芸家 十河隆史先生(T POTTERY 陶芸工房)です。
十河先生が土と水を配合して作って下さった粘土は、前回使用した土に赤土を加えたものです。柔らかくて形が作りやすく、子どもたちはその感触に心動かされていました。「冷たい」「柔らかい」「作りやすい」「気持ち良い」「モチモチ」「お餅みたい」「サツマイモの匂い」といった声が聞こえました。
子どもたちは、土粘土の面白さに引き寄せられたように、集中して取り組んでいました。ひとりひとりがよく考えて作っており、「卵を温めているんだよ」「にんじんが食べられるようにしてる」「これは赤ちゃん」「ドラゴンはこうやって休むものなんだ」「かくれんぼしているよ」と、ひとりひとつの作品に、こだわりや物語がありました。
活動の後に、最初に思い描いていたものが作品にできたのか、最初思っていたものとは全然違うものが出来上がったのか、どちらだったのかを聞いてみると、どちらにも手が挙がりました。イメージしたものを形作る面白さや、触っているうちに思いついたものを試し、工夫していく楽しさを感じられたのだと思われます。「色々な面白い形ができた」「カブトムシやクワガタムシが作れて嬉しかった」「気に入るものができて良かった」「新聞紙(芯)に貼り付けるのが難しかったけど、楽しかった」等と感想を教えてくれましたよ。
土粘土は、子どもの発想を具現化してくれる可塑性があり、子どもが自分の力で自由自在に形作ることができます。例えば、制作の初段階でできた粘土の塊が甲羅に見えた子は、「亀を作ろう」と決めました。その後さらに、亀に羽をつけ、「亀の妖精なの」と説明してくれました。粘土板の上には、翼を広げて羽ばたく亀の妖精ができあがっていました。
その上、土粘土そのものに、思わず触ったり撫でたり匂ったりしたくなる魅力があり、心を動かし温めるものであることを改めて感じました。
作品を焼くと、どんな形や色になるでしょうか。子どもたちと一緒に、野焼きの日を楽しみに待とうと思います。